世界が僕らを待っている

 ども、お久しぶりです。約8ヶ月ぶりですか。皆さん元気してましたか。いやその、実はこの半年程海外へ行ってましてね、そのおかげでいろいろとバタバタと・・・嘘ですが。ていうかそんな金がどこにあるってんだよ! ふん! こちとら相変わらずの安月給フリーター生活だよ!・・・あ、なんかリアルで嫌ですね、こういうの。


 というわけでせめて心だけでも世界旅行、というのではないですがこのところこんなの聴いてましたよというメモで、まあ挨拶のようなものとしておきます。たぶんこんだけ音楽旺盛に聴いてりゃ元気だろってみんな思うだろ(投げやり)。




アダム・アント「エッセンシャル:アダム・アント」

 とりあえずドンドコドンドコと。海賊ルックなんてので出てきた(そんでもってジュリーがパクった)のが何故かヨーロッパ貴族風にイメチェンしたりしたバンド時代から、唐突にドンドコロカビリーし始め、あげくスペース・カウボーイとかのたまい始めるソロまで、アダム兄貴の天然っぷりには降参するしかありません(でもカッコイイ)。これでPVの類が垢抜けてたら最高だった気もしますが、このドンドコリズムだけでも十分わけのわかんない高揚感と共になんか非日常に迷い込んだ感満点。


ウルトラヴォックス「ヴィエナ」

 まずタイトル曲を聴けと。これがテクノだと。クラフトワークかよっつうかまんまなリズムボックスにお前ら思い知れよと。そんでもってニューヨーロピアンズのカッティングで昇天しちまえと(見ず知らずの人を勝手に殺すなよ・・・って、なんか違う文脈の言葉っぽくなってしまった)。ヨーロッパ耽美テクノここに極まれり。とにかく抜けのいい、でもぶっとい巨匠コニー・プランク謹製のプロダクションと、ミッジ・ユーロの「なんかいい声!」の素晴らしい結晶体。そりゃヒットするよな。前作「システム・オブ・ロマンス」次作「エデンの嵐」もいいんですが、僕は断然これ。他のはこれから聴きます、ってかちゃんとした日本盤は出ないのか。


加藤和彦「VENEZIA」

 書いといてなんですがこれのCD版は超プレミア品で当然持ってないです。じゃあどうやって聴いてんのかっていうと、Youtubeから適当に落としてきてmp3にしてるという・・・いい加減聴き込んで殆ど口ずさめる程なので、近いうちにソニーの公式からmp3買おうとは思っている(ウチのパソコンはMacなので非対応なのです)。まあそんなですが作品そのものは疑いようもなく傑作。「首のないマドンナ」だとか「真夜中のバレリーナ」だとか、Ultravoxとは違う意味でのヨーロッパ耽美ですが、こっちのがほうが多分に趣味的というか、工芸品的というか、正に「お耽美」ですよね。でも好き。あれだ、萩尾望都の漫画みたいな(わかる人には死ぬ程わかると思う)。それにしても惜しい人を亡くしたものです。


ラクリマ・クリスティ「Sculpture of Time」

 個人的にはイタリアっぽいイメージ(インディーズの時のPVはイタリアロケでしたね・・・)。入手自体はもう8年前(大学入試の頃)なんですが、良いものは時間が経っても良いのです、と胸を張って言いたい(僕が胸を張ってもまあナンですが)。むしろ時間が経つ程味わいが深まる、これはまるでワインのようですね、とか下戸の自分が言ってみる。余計なこと言わなきゃ良いのに。ともかく聴けば聴く程唸ってしまう、「大人」なバンドアンサンブルの一級品。サンスクリットフラワーとかついこないだまで苦手だった筈なんですが、今はこのミドルテンポなノリがとてもしっくりくる。なんだ、俺が成長したのかこれ。


XTC「イングリッシュ・セトゥルメント」

 一気に世界一周っぽく。ワールドミュージックつうんですか、こういうの。そういう定義とかよく知らんけど。それにしても一枚のアルバム(LPは二枚組)でこんなにいろんなことを、しかもガッツリやってるってのは凄い。個人的にはQueenの4枚目なんかよりよっぽど尊敬するであります。リマスター盤のが音が良いのは明らかですが、実は再発前の「セツルメント」っつう邦題の語感のなんとも言えないインチキ外国感も捨て難いとか通じんのかそれって感じでスイマセン。このコクとまろやかさ(カレーかよ)は是非読書のお供にしたいですな。その意味では次作「ママー」やずっと後の「ノンサッチ」もうってつけ、かつ違う方向性ながら傑作だと思う(けど一般的には低評価。何故?)。


ムーン・ライダース「カメラ=万年筆」

 もはや異世界だ、これは。スッカスカなバンドサウンドながら、逆にそれがなんか、こう日常に垣間見ちゃった非日常というか、超現実的というか、シュールレアリズム?っていうか、そんな感じで。ゴダールやらなんやらの映画のタイトルからの頂きってのもそれだけだとなんかオッサン趣味臭いですが、しかしこの音だと歌詞の無関係っぷりも甚だしくむしろ異化効果っぽくてまた良し。


甲斐よしひろ「ストレート・ライフ」

 そこ、いきなりなんじゃそれとか言わない。って失礼なこと書いてるな。うんでもこれはなかなかソロの作品としてよく出来ておるですよ。舞台としては主にニューヨークな感じで、都市の中のドラマを写し取ったそれこそ「アルバム」のような作品。殆ど打ち込みなのもまたその世界観の演出として、また「これはソロなんだぜ!」感アリアリではっちゃけてて良し。夜に聴くと本当しっとりしててなおかつ都市の冴えた感じ?というか、そんな雰囲気も味わえて、味わい深かですたい(インチキ福岡弁)。



 という感じで書くだけ書いて終わる。またいつか。