ぷろっつ・そのに

てなわけで引き続きお気楽プロットその二。



今回のお題は「第二の青春」。





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 私は臼だ。とはいえ、今の私はテーブルだ。つまり――この家の主、健二曰く、円形のガラス板を私の上に置けば、一風変わったテーブルにも見えると――。ついこの間定年になって、暇なものだから「第二の青春」とかなんとか、こういうことをして暮らしているわけだ。ま、悪い気はしないものだが――先代の耕造が逝ってからこっち、私を使うものもなかったから――。
 「あなた、これからはRAPよ!」妻の康子が叫びながら、意気揚々と居間に入ってきた。サングラスとキャップに、だぼだぼのジャージ・・・この女も暇なのだ。「そうか! これからはRAPか!」健二が応えた――一体なんだと言うんだ? 私は身震いして、それからまるで老人のようにだらしなく前屈みでヨウヨウ言いながら揺れ続ける二人に吹き出してしまった――しかし乍ら、私の体はピクリとも動かず、ガラス板が二度音を震えただけだった。当たり前だ――私は臼だから――動じずに臼で居るしかないのだ、やはり。