ぷろっつ・そのいち

さて今日と明日(しらじらしい・・・)は遊びで作ったプロットでも。ま、だいたい400字程度の短いヤツです。いちおうお題を設定してまして、そのお題は「自分の嫌いなもの」縛りということにしてます。えへ。つまりいつものひねた可愛げのない茶々某ちゃんらしいモノでしかないので、ま、そこんとこよろしく。


今日のお題は「世界にひとつだけの花」。




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 僕の街には、世界にひとつだけの花がある。昔のえらい人たちが刈り取った末の「絶滅危惧種」なんだって、本に載ってた。このまえ迷い込んだ酒場にいたオヤジたちは「坊主、ソソる女を見たときゃあれの花粉を嗅がせるのさ――そうすりゃその夜はよろしくできるってわけだ。なんたって『淫妖の花』だからな・・・」って、ヘタクソな地図を見せながら自慢してた。
 だけど――隣のユージの家に泊まってた白衣のおねえさんが、夜こっそりユーイチを研究所に連れ込むとこを僕は見てしまった。そのときのつやつやした顔とトボけた背中ったらーーだから僕はその花を摘んだんだ。でも、鼓膜が破れそうなほどのベルの音に動転して、僕は口に隠したそれを飲み込んでしまった。
 そして僕は――私は、女性を惹き付けて止まない体になり、「最も子供を多く産ませた男」としてギネスブックにも載った。そして今はこう思うのだ。世界にひとつだけ、簡単なことだ、と――。