音楽は音質がいいほうがいい。


・・・とは限らない。


と、気付く。前に書いた通り、仕事中の音楽再生メディアはカセットテープからiPodに移行したわけですが、仕事机の上にうず高く積まれたテープが片付くからと言って、それで話が済むとは限らない。例えば、



クラフトワーク「コンピューター・ワールド」はiPodで是非聴きたいが、「ツール・ド・フランスサウンドトラック」はカセットテープで聴きたい。




だったり、




イナフ・ズナフは基本的にカセットテープで聴きたい。



だったりする。基本的に、アルバム一枚で気に入ってるものはカセットでアタマからケツまでの流れをひとまとまりで聴きたい、というのもあるんだろうけど、デジタルな音とアナログな音、だったり、テクノとロック、だったり、な、諸々のカテゴライズ、そしてそれに対する再生メディアとの組み合わせの妙が作用していると思われる。あとは例えば、「Sincerely Dears...」なんかはiPodで聴きたい。これはコンピレーション・アルバムだから、ツライチな感じで45分ないし60分ノンストップなカセットテープよりも、コマ切れなデータ集、な感じのipodのほうが合ってるかな、という感触。他にも、所謂「B面」なアルバム後半がダレるタイプのアルバムなんかもテープの方が楽しい、というか「本当は飛ばしてしまいたい気もするんだけど・・・」が、聴き込むうちに意外な発見につながる、なんて収穫があるかな。


で、話逸れてますが、音質。一般的に、各トラックの音の輪郭がはっきりしてて、ツブがたってる、なんてのが「いい音質」の条件だったりするわけで、確かにエアロの初期の音源なんかをそういう条件で聴いたりすると新たな発見があって面白いのだけど、音がイマイチクリアーでなくても、トラックがきっちり整理されないまま、壁のように絡まり合って襲いかかってくるような印象に聴こえたりするカセットテープのほうが結果的に良いんじゃね?ってこともある。例えば「Back In The Saddle」とか、そういう曲じゃないかな。あと先に書いたことと矛盾するかもしれないんだけど、ゆかりんの曲はカセットのほうがいいかな。デジタルな打ち込みサウンドが、mp3だとちょっと耳に痛い印象の時もあるので。



あとはこれに、イヤホンの特性とかも関わってきますが・・・要するに、ケースバイケースでいいんじゃね?ってことで。家でじっくり、5.1chサラウンドだのウン10万円のステレオとかで聴くばかりが音楽の楽しみ方だとは思わない私なのです、ってことで。