突然ですが、気まぐれブックレビュー。


「日本の風景を殺したのはだれだ?」


ええまあそんなわけで、慌ただしく過ぎゆく日々に忙殺されて絵が描けないのでブックレビューでも。図書館が近いといろいろタダで読めて便利だね。そんなとこでこの本だ。このタイトル・・・プライベートの私を知ってる人間からは笑われそうな(笑)、いろんな意味で微妙なポジションな本っぽいタイトル。しかし私はこの本を、いうなれば美術的な観点、「どこの街も変わらんなあ」とかいう視点だったり、実際絵に描く気が起こらなかったりする風景だなあと思わされた、という経験から手に取ったんです、よ。実際の本の中身は「コンクリ住宅は冷輻射で9年早く死ぬ」とか、そんなん。まあ体にいい家の方が、いいかもしれんけどね・・・というのは、わかるけど。ついつい「わざわざ木造の家に移り住んで、そいで9年長生きして、それで何をどれだけできるかしら?」とか、言いたくなってしまったりするいつもの自分なわけで・・・健康なら良し、エコなら良し、というほど人間は単純な生き物じゃないと思います。不健康だって、もしくは、不健康だからこそ、いろいろ後世に残せることやってる人、いっぱいいるしなあ・・・とか。トーキング・ヘッズの「Nothing But Flowers」じゃないですが、今更江戸時代の町並みでもないだろ、そりゃ。
ただ、後半で出てくる木造高層ビルっていうのは、見てみたいし、実現したら確かにすごいと思う。知らなかったけど、どうやら法的に、4階建て以上の木造建築は許可されていなかったらしい。技術はある(らしい)のにこれは、確かに勿体ない。こんな感じの「古今折衷」な風景は面白そうだよね。